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2018年12月11日(火)13:00~
創立1869年(明治2年) 創業149年
「株式会社銀座木村家様 木村社長」にインタビューをさせていただきました。
【参加者(敬称略)7名】
河合・小室・小室(絵)・小林・千葉・村野・田村
※背景の書は幕末から明治時代の幕臣・政治家・思想家「山岡鉄舟」直筆
インタビューの質疑内容は以下の通りです。
■経営理念「五つの幸福」
1.お客様の幸福 2.パートナーの幸福 3.従業員の幸福 4.会社の幸福 5.自分自身の幸福
仕入先・納入業者の方々を含めての幸せを考えている理念。
■経営理念の継承は?…
(後述の通り)過去の資料等は消失してしまったが、幼い頃から祖父より話しを聞いて来た(口伝)。※物心ついた頃から会社には入ろうと思っていた。
■これまでの最大のピンチは?…
関東大震災・第二次世界大戦。全店舗等が全焼してしまい過去の資料が残っていない
戦争後は工場がGHQに押さえられて米国用のパンしか製造出来なかった。
■当代の最大の苦労
会社を継承する際は、「(先代は)俺の背中を見て覚えろ!」的な職人気質・トップダウン型…商店経営気質から脱却に苦労した。特に財務面の改善に苦心。
■社員教育・組織作りは?…
社員は言われる事だけをやる体質であったが、社長就任から(平成24年3月)ディナーミーティング(アルバイト含め10名程度)、バスツアー(50名位参加)等、社員間のコミュニケーション、社長と社員の接点、製販部門のギャップを埋めるイベントを開催している。
また、出来る限り「外」を見せる工夫として他社やヨーロッパ研修を行い、クリエイティブな感性を磨いてもらう教育を行っている。
また接客・販売部門では「木村家なのに、このくらい出来ないの?」と言われないように、お客様のご期待を超える接客を磨く為に笑顔研修を実施している。
■100年目指す経営者に一言…
会社はご先祖様からの預かりもの…大切な資産。誰かに支えられている事を決して忘れずご先祖様へ感謝。自社さえよければ、自分さえよければの考え方では決して続かない。
当代は次世代に繋ぐバトン役。
■インタビューを終えて…
木村社長がお話しされていた「自社さえよければ、自分さえよければの考え方ではなく、ご先祖様に感謝し企業を継続していく事が経営者の使命である」
これは我々が日々学んでいる正に「公益資本主義」そのものである。木村社長はこれを実践され、実際に老舗企業を継続されている。
当日はお約束の時間より早く到着したので、木村家さんが経営する3Fのカフェでコーヒーを飲んでいたが、スタッフの方の笑顔や立ち振る舞いが“一流レストラン”レベルの接客で少し驚いた。なぜか?…本業はあくまでも“パンの製造メーカー”だからである。しかしインタビューで “社員教育・組織作り”の内容等を木村社長からお聞きして、これこそが“社員教育・組織作り”の成果なのだと感じた。
このインタビューは、我々にとっては大変貴重な学びの機会になるが、木村社長にとってのメリットはあまり無い。しかし、お昼時の混雑時にも関わらず、4Fのレストランでお茶を振舞っていただき、しかも帰りに“あんぱん詰め合わせ”の手土産まで全員に持たせていただいた。これこそ“おもてなし”の精神…業種に関わらず見習うべき点であろう。
PICC東京支部 100年企業研究委員会 河合広介