PICC 経営者のために公益資本主義を

News

PICCニュース

「戦争と平和について考えるツアー in 広島」を開催しました

 ウクライナ紛争や台湾問題等、現実に国同士の紛争が頻発している中、「地球益」を目指すPICCは、2022年11月5日と6日、「戦争と平和について考えるツアー in 広島」を開催いたしました。さまざまな現物、現場、現実に触れることで、国防の重要性や平和の大切さ、太平洋戦争で命を落とした先人の想い等、多くのことを考える機会となりました。

  

 今回、主催いただいたのは、今年の総会で理事、そして西日本統括に就任いただいた福岡・飯田剛也支部長です。元海上自衛隊で戦術航空士として勤務されていたコネクションを生かし、初日は江田島の旧海軍兵学校(現在は幹部候補生学校)、呉基地、てつのくじら館等、自衛隊関連施設を現役の海上自衛官にご案内いただくというスペシャルツアーとなりました。 


 

 
 また翌日は、座学として退職自衛官が全国の企業や地方公共団体等に再就職し、新天地でその資質と能力を発揮している事例について学びました。防衛省・自衛隊は、任務の性格上、精強性を維持する必要があるため、幹部職員であっても若年定年制により、大半が50歳代半ばで定年を迎えるそうです。これまで多くの職務を経験してきている、働き盛りでリーダーシップを身につけた管理者です。さらに、規律や礼儀がしっかりしており、士気も旺盛です。常に人材を求めている企業経営者が幹部候補の人材を探す際、選択肢の一つとなりそうです。

 実際、PICC会員企業でも採用実績があり、「会社が120度良い方に変化した」との紹介もありました。今回をご縁に、会員企業にとっても、退職自衛官にとっても、良い出会いが生まれることを期待したいと思います。

 


 座学終了後は、平和記念公園に移動し、原爆ドームや資料館を見学しました。前日は戦う側の施設を見学しましたが、戦争は軍や兵士だけで行われるものではありません。ウクライナ侵攻でも日々報道されている通り、戦争によって何の罪もない一般市民も犠牲になるということを改めて認識いたしました。

 特に広島は世界で初めて原子爆弾が投下された都市でもあります。人間の科学力によって引き起こした被害に脅威を覚えるとともに、爆発、やけど、放射能等、さまざまなかたちで苦しんだ戦災者の姿に胸を痛めました。国防の大切さ、それによってもたらされる平和の尊さについて、それぞれが想いを新たにすることができたと思います。今回の経験をこれからの企業経営、PICC活動に生かしてまいります。
 
 

大久保秀夫会長による振り返りの言葉より

 江田島の教育参考館で出征する若者の家族への手紙を読み、胸に迫るものがあった。生んでくれたご両親への感謝、残す兄弟姉妹へ託す志、日本への愛国心が、丁寧に、美しい字でつづられていた。果たして現代の若者が同じ境遇に立ったとして、このような心持ちで戦地に臨めるだろうか。決して戦争を肯定し、美化するものではないが、日本人から国家観が失われてしまっていることに、今回のツアーを通して改めて気づかされた。

 しかし、人としての本質は変わっていないと信じている。すべては教育次第だと思う。我々は教師ではないが、若者にいろいろな形で教え、気づきを与えることはできる。まずは自分の家庭、自分の会社で人としての正しい在り方、国家観について教え、考える機会をつくってあげてほしい。また同時に、地域の若者を育てることにも目を向けてほしい。PICCでは出前授業やマイコミュニティフォーラムを通じて、若者と出会う機会がある。出会いは人の運命を変える。ぜひ皆さんが出会った人に「あなたと出会えて良かった」と言ってもらえる人間になってほしい。

 その時にキーとなるのは「利他の心」。相手のことを本気で考え、できることを積み重ねていくことで、徳のある、尊敬される人間になることができると信じている。これからの企業は財務的価値ではなく、人的価値で差別化される。皆さん自身はもちろんだが、働く社員も徳のある人物に育て、出会うすべての人から尊敬される会社となってほしい。

一覧に戻る