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2022年3月15日、一般社団法人公益資本主義推進協議会は社員総会・優秀事例発表会を開催しました。今年は緊急事態宣言下であるため、役員や登壇者のみリアル、観覧はオンラインのハイブリッド開催でしたが合計150名の方に参加いただきました。冒頭の社員総会では、議案として上程していた2021年度決算、役員選任は原案どおり承認可決されています。
議事後には、会長である大久保秀夫から「『王道経営』実践道場 はじめに」というタイトルで講演があり、今年からスタートする新しい学びの場について、講義テーマや趣旨について案内されました。
講演後は、6回目となるPICC優秀事例発表会を開催し、全国から選抜された6名の会員による活動事例のプレゼンテーションが行われました。
【優秀事例を発表いただいた会員の皆様】
1.委員会活動部門(教育支援)
福岡支部 古澤一輝さま、小林昇生さま(U25)
2.委員会活動部門(100年企業研究)
福岡支部 松田 修さま(社会保険労務士法人マッチアップ)
3.委員会活動部門(途上国支援)
東京支部 河合 広介さま(株式会社トライキッツ)
4.公益資本主義の実践部門
東京支部 加藤 俊さま(株式会社Sacco)
5.社中分配部門
愛知支部 野田 重秀さま(株式会社野田クレーン)
6.PICC プレゼン部門
福岡支部 松藤 大治さま(U25)
その中で最も優れたプレゼンテーターとして、株式会社トライキッツの河合 広介さん(東京支部 副支部長)に「2021 PICC MVP賞」が贈呈されました。河合さんからは、自社でチャレンジされている途上国支援の取り組みについて、ご紹介いただいています。
東京・大田区でものづくりをされているトライキッツがチャレンジされているのは、障がい者支援事業所に商品生産を委託するという本業を通じた社会貢献、Cause Related Marketingです。現在、日本では何らかの障がいを持つ方が900万人、その中で働きたくても働くことができない人が340万人いると言われています。この中から、一人でも多くの就労者を増やすことができれば、本人にとってはもちろん、企業にとっては人手不足の解消にもつながり、国にとっても税収アップに繋がる、まさに三方良しの取り組みです。
同社の取り組みはここにとどまらず、資源の善循環によるSDGsへの貢献、売上の10%を国際NGOに寄付する途上国支援、また将来的にはこのスキーム自体を途上国に技術指導し、雇用創出にもつなげていくことも視野に入れた壮大な事業計画です。PICCで学んだことを自社の事業でどう実現できるかを考え、実践にチャレンジされている事例となります。
「社会性」「公益性」という言葉は、10年前の自分にとってはどこか他人事、きれい事であり、恥ずかしながらあまりピンとくるものではありませんでした。それがPICCに入り、御縁をいただいた仲間である皆様と共に学んで、共に活動していくうちに、いつの間にか違和感なく、すっかり居心地の良い言葉になっています。今回発表させていただいた「途上国支援」はPICCで勉強しなければ出てこない発想ですし、実践もできなかったと思います。皆さんのご支援、ご協力のおかげだと思っています。本当にありがとうございました。
また、東京支部には「支部基盤強化賞」「2021年度 最優秀支部賞」が贈られています。河合さんのMVPを含め、東京支部は昨年に引き続いての三冠獲得となります。
大塚支部長: 個人的には、ショーレースはあまり興味がありません。真面目にコツコツやっていれば、評価してくれる方は評価してくれるはずだと思っています。ただ、今年に限ってはこの賞を取りたかったのです。会の冒頭、黙祷を捧げた通り、仲間が1月に亡くなってしまいました。我々は、「祖先の思いを今につなぎ、未来のために生かしていく」という考えを大切にしているため、それを形として見せなければいけないということを強く思っていました。無念にもこの世を去ってしまった冨張さんのため、今回は賞が取れて本当に良かったと思います。
東京支部は今回、優秀事例発表会に9本エントリーしました。この数が少ないか、多いかは個人の感覚によると思いますが、PICCに参加して、活動している以上、1年かけて「何かできることがないのか?」を考え、エントリーしなければダメだと私は思っています。公益資本主義を学んで、実践して、自社を強くすることはもちろん大切だけれども、我々は「推進協議会」を謳う以上、それを会の内外にきちんと伝え、仲間を増やすことも重要なミッションの一つとしているからです。そのためには、この優秀事例発表会の場で発表するのが一番だと考えています。これから次回に向けて、皆で一緒に挑戦していきたいと思います。よろしくお願いいたします。