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株式会社クロスアビリティズ

「人が育つ場所であり続ける」 元気な会社づくりを目指す、株式会社クロスアビリティズ安藤社長の経営哲学

【PICC会員企業紹介】

※  本記事は、2024年10月に掲載されたものであり、掲載当時の情報となります。

 

 福岡市に拠点を置く株式会社クロスアビリティズは、就労支援事業とCBT試験会場運営を軸に、20期目を迎えた企業。代表取締役の安藤さゆりさんは、かつてシステムインストラクターとして活躍後、職業訓練の講師を経て起業した。

  

 「思いやりの心と責任を全うする力で、人と明日をつなげ、社会に貢献し続ける企業を目指します」―この力強い言葉は、同社の企業理念である。長年、雇用や人材育成の課題に真摯に向き合ってきた安藤さんが経営の羅針盤としているのは、一般社団法人公益資本主義推進協議会(PICC)の掲げる理念や考えだ。

  

 今回は、PICCでのあらゆる学びを経営の底から活かし続ける安藤さんに、その経営哲学と今後の展望について伺った。

 

「人が育つ場所であり続ける」 元気な会社づくりを目指す、株式会社クロスアビリティズ安藤社長の経営哲学

代表取締役 安藤さゆりさん【画像提供:クロスアビリティズ】

会社概要

株式会社クロスアビリティズ

代表取締役 安藤 さゆり

 

事業内容:就労支援、研修設計、CBTテストセンター運営管理、パソコンがある貸会議室

所在地:〒810-0001 福岡市中央区天神3-4-9 GGソーラービル8階

設立年月日:平成18年10月24日

TEL:092-791-7656(本社

https://c-as.co.jp
 

PICCとの出会い

 私はもともとシステムインストラクターとして働いていたのですが、結婚を機に退職し、その後は職業訓練の講師をしていました。その時に、再就職を目指す方々の人生と向き合う中で、一人ひとりの個性や能力を活かせる社会の実現に貢献したいと強く思うようになり、起業を決意しました。

  

 起業当初は、経営については右も左も分からなかったです。そんな時に参加したのが、福岡県企業家同友会でした。そこで知り合いを通じてPICCの存在を知り、興味を持ったことが、PICCとの出会いでした。説明会で語られるPICCの理念や活動内容に感銘を受け、まさに私が求めていたものだと確信し、入会を決めました。

    

PICCで学んだこと

 PICCでは、定期的な勉強会や講演会、会員の起業家同士の交流会など、多様な学びの機会が提供されています。私はこれらの活動に積極的に参加し、PICCでの学びをより深く理解するとともに、実践的な経営ノウハウを習得していきました。

  

 具体的には「やり方塾」に月1回、「あり方塾」には2カ月に2回、必ず参加するようにしています。やり方塾に参加するだけでは経営の利益追求の点を学ぶことに終始してしまうため、必ずあり方塾にも行き、実際の経営でどのように活かすかを思考します。そこでは福岡支部の飯田支部長(現理事・西日本統括)が大久保会長から学んだことを私たちに落とし込んでくれます。

  

 時には経営についての考え方を話し合うなかで「どうしてこういうことを勉強会で言われてしまったんだろう」と悩むこともありました。しかし、経営者が会社の中で最も学んでいなければならないと考えているので、勉強会の中では絶えずコミュニケーションを取り続けました。こうした学びの継続を行うことによって、どんどんPICCの考え方が自身に染み込んでいきました。

  

 現在は「分かったつもりにならずに何度でも見聞きする」「何事もやらずに言い訳をつけてやらないのはもったいない」というアクティブな姿勢を大事にしています。

  

 PICCで得た学びの中でも、特に「社会性」「独自性」「経済性」の考え方は、私の事業に対する意識を大きく変えました。就労支援事業は社会貢献性の高い事業ですが、収益を度外視しては継続が難しい。今後これをきちんと継続させていくためにはどうするか、という思考の根源に気づかせてくれるようになったのも、PICCがきっかけですね。

  

 PICCの学びを通して、社会的な意義と経済的な成功を両立させることの重要性を改めて認識しました。

  

PICCで学んだこと

実際の勉強会の様子【画像提供:クロスアビリティズー】

PICCの学びを活かした、独自の就労支援プログラム

 当社ではPICCの勉強会で得た知識やノウハウを活かし、スクール受講生の個性や強みを最大限に引き出し、企業が求める人材になるための独自カリキュラムを開発しました。このカリキュラムは、2006年に経済産業省によって提唱された「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」を養成するためのものです。転職活動に必要なスキルや知識を習得できるだけでなく、受講生同士の交流を通して、社会との繋がりを取り戻せるようなプログラムを提供しています。

  

 また、『社員にもPICCの理念を共有し、共に成長していきたい』という想いから、社内勉強会の実施や、働きやすい環境づくりにも力を入れています。社員一人ひとりの個性と才能を尊重し、それぞれが最大限に能力を発揮できるような組織づくりを目指しています。昨年の10月に当社はオフィスの引っ越しをしたのですが、その際に公共職業訓練を新たに2コース開始させ、スタッフそれぞれが非常に活躍してくれています。

  

 ちなみに、スクールを卒業された元受講生が私のもとにふらっと訪ねてきてくれることもあります。彼らが職場やキャリアを築くにあたっての悩みを抱いたとき、「これはどうしたらいいんだろう」「どうしたらいいかわからない」と私のところに悩みを相談しに来てくれるんです。卒業後もこうして相談に来てくれるのは嬉しいですね。少しでも誰かの役に立っていると実感できる瞬間のひとつです。
  

PICCの学びを活かした、独自の就労支援プログラム

オフィスでの安藤さん【画像提供:クロスアビリティズ】

「人が育つ場所であり続ける」ために

 今後もPICCでの学びを活かしながら、社会に貢献できる企業であり続けたいと考えています。PICCへの入会は、まさに私に新たな挑戦へのチャンスを与えてくれた機会でした。

  

 私にとっての成功とは、売上や利益だけではありません。社員やその家族、そして就労支援事業を通して関わるすべての人々が、幸せを感じながら、自分らしく輝けるような会社を築くこと。それが、私の目指す『人が育つ場所』です。

  

 「安藤さんがこの事業をやっていて良かったです」と言われるような形を目指すのが今の目標です。当社は公共職業訓練事業という「キャリアを再構築したい人」という方を相手に事業を行っていることもあり、その方々にとっての「安心できる場所」であることを今後も続けていくのは使命だと思っています。
 

「人が育つ場所であり続ける」ために

PICC会員同士のオンライン交流会の様子【画像提供:クロスアビリティズ】

事業紹介

 株式会社クロスアビリティズは、福岡を拠点に多様な事業を展開しています。主な事業内容として、公共職業訓練、人材紹介、e-ラーニング・SNSマーケティングの人材育成の提供を行っています。特に、就職支援や企業向けの研修、経営戦略支援を通じて、個人および企業の成長をサポート。また、テストセンターや貸会議室の運営も行い、「出来なかったことが一つ一つできるようになる」ためのニーズに対応するサービスを展開しています。

   

プロフィール

いつからでも、なりたい自分になることができる

安藤 さゆり

株式会社クロスアビリティズ 代表取締役

 結婚と同時にOLを辞めて専業主婦になり派遣で働く。インストラクターに誘われて業界へ。実力不足で2回首になるが、猛勉強の末、デモンストレーションや日立系のシステムインストラクター、企業研修を行うようになる。子供が生まれてからは一時休止。子供が3歳になった時に職業訓練と出会い講師業に復帰。2006年に起業(登記も自力)。 
 2009年から職業訓練を自社で行う。修了生は1000人超。2023年10月に移転後は研修センターとし3教室を運営中で、今後増設予定。「中小企業の課題を人の側面から支え、人を思いやる気持ち、責任を全うする力を持った人材の育成」を目指している。2級キャリア・コンサルティング技能士、職業訓練指導員(事務科)、MCAS、タックスプランナー保有。

  

 

※  本記事は、2024年10月に掲載されたものであり、掲載当時の情報となります。

取材協力:

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