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共立運送株式会社

お客様の話を一方的に聞くのではなく、お互いで作り上げる物流を考える

【PICC会員企業紹介】

※  本記事は、2023年6月に掲載されたものであり、掲載当時の情報となります。

 

 共立運送株式会社は、メーカー、物流業、卸売店から商材を集め、大手物流業者などの協力を得て、大阪市を起点に北海道から沖縄までの国内物流を担っている。今年で70周年を迎えるが、10年前には市内4カ所にあった倉庫が老朽化したため、物流センターとして1拠点に集約するために大きな投資を行ったタイミングで、大株主の親族との問題が発生し、経営状態は厳しくなった。

 

 会社を畳むことまで考えていた代表取締役の大槻淳一さんが、この時に出会ったのが大久保秀夫塾だ。一般社団法人公益資本主義推進協議会(PICC)の大久保秀夫会長が経営者人生で習得した思考と行動について学び、実践していく中で、経営はV字回復を成し遂げた。

 

 今回は、共立運送株式会社代表取締役の大槻淳一さんに、経営理念、行動指針、事業内容、PICCでの学びや「王道経営実践7つの柱」などについて伺った。

 

お客様の話を一方的に聞くのではなく、お互いで作り上げる物流を考える

代表取締役 大槻淳一さん(画像提供:共立運送)

企業概要

共立運送株式会社

代表取締役 大槻淳一(おおつき・じゅんいち)

事業内容:一般区域貨物自動車運送事業/貨物利用運送事業/倉庫業/流通加工・梱包事業/

輸入代行事業および通関業/梱包資材・物流資材販売業

所在地:〒541-0059 大阪市中央区博労町1-3-2

TEL:06-6261-5271

FAX:06-6261-5274

資本金:1,600万円

設立:1953年6月

https://www.kyoritsu-u.co.jp/ 
 

理念・ビジョンの大切さ

 弊社の経営理念は、「三方よし」の精神に基づいて作っています。

  

 第1が『社会と共に立つ』です。お客様と共に成長することで、環境を守り、社会と共存することを目指します。

  

 第2が『お客様と共に立つ』です。お客様とエンドユーザー様に喜んでいただける物流サービスと安心感を提供します。

  

 第3が『共に働く仲間と共に立つ』です。共に働く仲間の誇りと幸せのために、より良い提案やサービスを探求し続けます。

  

 第4が『理念に基づく従業員の幸せを大事に致します』です。社員の幸せは個々に違いますから、「理念に基づく」という言葉を冒頭に付けました。

  

 行動指針は『同僚が先、自分は後。与えるものが与えられる』と、『信頼が先、指名は後。期待に応えると選ばれる』です。

  

 この業界は歩合制で動いている人が多く、自分が優先される傾向があります。しかし、同僚を大事にすると自分に返ってくるのです。自分が困った時に助けてもらえます。それが『同僚が先、自分は後』です。

  

 また、この業界はお客様に対して「自分を指名してください」となりやすいので、先に手助けや配慮を促すのが、『信頼が先、指名は後』です。お客様は単に物を運ぶ人だと思っているのですが、それ以上のことをやってもらうと感動が生まれ、結局は選ばれるのです。

   

PICCからの学びでV字回復

 大久保秀夫塾の2期生として学ばせていただき、年間スケジュールの全部に参加しました。それまでは、数字にしていくための「やり方」ばかりを追い掛けていましたが、「在り方の上に、やり方が乗るのだ」と言われたことが衝撃的でした。

  

 また、「100年企業にならなければいけない」という話があったので、創業60周年だった当時、『人と人をつなぐことで、幸せな世界を創る』という100年ビジョンを定めました。物流事業はいろいろなネットワークで動いています。AIや自動運転の車が出てくる時代に入ったとしても、絶対に残るのは人と人とのつながりだと考えたのです。

  

 さらに大久保会長からは「企業は存続させなければいけない」と言われ、どうしたら続けられるのか真剣に考えました。やはり社員やお客様を大切にすることだと考える至り、それを実践するために大株主である親族から株と土地を買い取り、一時は大借金王になりましたが、そこからV字回復を果たすことができました。
 

PICCからの学びでV字回復

共立運送の社員たちは企業理念や社長の想いを実感しながら笑顔で働いている。(画像提供:共立運送)

PICCでの学びの実践と成長

 PICCが提唱する「王道経営実践7つの柱」について、弊社の取り組みを述べたいと思います。

  

 「社会性」については、物流はライフラインをつなぐ大事な仕事で、弊社だけでできる仕事ではなく、ネットワークを通じ、お互いに認め合い、関係性を大事にすることを周知徹底しています。また、高校生の職業体験の受け入れや、小学校に行って仕事に関する出前授業をさせていただきました。さらに利益の一部を使い、カンボジア、モンゴル、スリランカへの教育支援や、ラオスでの小学校建設を行ってきました。今後もコツコツ継続してまいります。

  

 「独自性」については、お客様と一緒に考えて仕事を進めていくことです。普通の物流会社はお客様の話を一方的に聞いて従いますが、弊社はお客様と対話しています。本当の要望を聞いて、それをかなえていくことで、お客様は喜ばれるのです。社員もお客様と対話して願いを叶えることにより喜ばれて、笑顔が増えていくようになっていきました。

  

 「経済性」について。以前は安い仕事や、物量が多いからといって値引きしていましたが、そういった仕事を受けることはやめました。自分たちに見合う分だけ受けるようにしました。そうすると収益率が上がって、少量でも収益率が高い状態になりました。経営理念に基づいて判断し、お金で動かないようにしています。

  

 「公平性」については、物流に優劣を付けないことです。どんなお客様も大事だと思って対応し、時間のかけ方も同じようにしています。また、社内では絶対評価にしています。3カ月の振り返りシートを作って、月に1回面談します。個人個人に向き合った形で、その人が自分と向き合って、課題をクリアしていくことを支えています。

  

 「継続性」については、100年後に残さなければいけないものを、経営理念、行動指針、人だと考えています。物流業界は倉庫内のオペレーションを見せませんが、弊社はオープンにします。10年前に物流のショールームにすると決めて、見学者もたくさん受け入れてきました。

当社では3S(整理・整頓・清掃)と3定(定位置・定品・定量)活動を徹底してきました。中でも、美化には力を入れ、床に手を付けてもほこりが付かないレベルになっています。これは皆さんが驚きます。こうしたことも私1人ではできません。皆で考えて進めることが継続性につながっています。

  

 「改善性」について。改善活動は毎月行い、皆さんから年間200件は提案されます。継続して取り組むことが力になっています。時短、安全性向上、仕事の効率化につながります。思い付いた時だけやるのではなく、常に気になることをメモしておいて、皆で協力して取り組みます。大久保会長からも言われた、「何のためにやるのか。目的は何か。本質は何か」ということを深めていきます。

  

 「魂の決断」は、会社が危機的な状態に陥った時に、「何のためにこの事業を続けるのか、誰のために続けるのか」と、自分が死を覚悟しながら考えたことです。その結果、弊社の社員がお客様に愛されている状態をつくりたいと思うに至りました。損得勘定ではなく、社員とお客様が本当に喜べる企業になっていくことが、私の今の夢ですし、目指すべきところです。
 

PICCでの学びの実践と成長

社員とお客様が本当に喜べる企業になることが大槻代表の夢であり、目指すべきところ(画像提供:共立運送)

事業紹介

 大阪市を起点に、北海道から沖縄までの国内物流を担っています。メーカーが中心ですが、物流業、卸売店などとも付き合いがあります。路線会社といわれる全国大手の物流業者と何十年も付き合いがあり、商材を毎日、倉庫や工場から集め、協力会社とともに責任を持って配送しています。弊社は最終の到着確認までの管理を行って、お客様に成り代わり年間を通して、事故や遅延がないようにサポートしています。

  

 弊社の強みとして、「共立運送のお約束No.1宣言」をうたっています。我々は色々なご相談をたくさん受けています。お客様からいただいたお困りごとを必ずクリアしていくようにしています。どんなご要望もお断りしません。自社の「在り方」だけではなく、お客様の「在り方」も重要と考えています。お互いが協力し合って、成し遂げるのです。お客様の話を一方的に聞くのではなく、われわれの思いも話して、お互いで作り上げる物流を考えています。

  

 大久保会長からは、「お客様だけではなく、社内でもそういう話し合いをすることが大事だ」と言われました。一方的にトップダウンでやっていくのではなく、問題点を出して、客観的に原因究明して、対策も皆で一緒に考えています。共創という言葉がぴったり合うと思います。2年ほど前、弊社では「共創人」という言葉を商標登録して、有名な書道家に書いてもらい、社内に掲げています。

事業紹介

社中のステークホルダーと共に創り上げる「共創人」という言葉を商標登録。
書は、杉田廣貴さん(画像提供:共立運送)

プロフィール

共立運送株式会社

代表取締役 大槻淳一(おおつき・じゅんいち)

  

兵庫県伊丹市 出身 1965年9月11日 生まれ O型

家族構成 妻・母・愛犬1匹

趣味 旅行(海外・国内)・ドライブ

資格 運行管理者・はい作業主任者・整備管理者・ISO 9001内部監査員

好きな言葉 天は自ら助くる者を助く

志 物流を通じて日本~アジアをつなぎ、そこに関わる人々を幸せにすること

夢 60歳で世界一周旅行を家内とすること

 

※  本記事は、2023年6月に掲載されたものであり、掲載当時の情報となります。

取材協力:

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