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株式会社GLOBAL FLAT

無数の小さな平和を同時多発的に増やし、つながりの力で世界を平和に

【PICC会員企業紹介】

※  本記事は、2023年7月に掲載されたものであり、掲載当時の情報となります。

 

 株式会社GLOBAL FLATの代表取締役である佐藤岳登さんは、高校卒業後に柔道整復師と鍼灸師の資格を取得し、2009年28歳で鍼灸接骨院を創業。その後、地元である大阪府八尾市に戻り、2015年に両親から営業譲渡を受け、デイサービス1号店の運営を開始する。

 2023年現在では、高齢者向けのデイサービスを4拠点運営するほか、住宅型有料老人ホーム(シェアハウス)、それに併設するカフェ&スナックや、子どもの塾(学研教室)、コワーキングスペースの運営、さらに訪問看護などの事業を展開している。

 多岐にわたる事業展開を行い右肩上がりの成長を続ける株式会社GLOBAL FLATだが、創業当初は私欲に走って失敗が続いていたという。転機となったのが、一般社団法人公益資本主義推進協議会(PICC)での学び。大久保会長から企業の在り方や経営者の覚悟など『王道経営』を学び、理念に基づく経営に転換することができた。

 今回は、株式会社GLOBAL FLATの代表取締役の佐藤岳登さんに、企業経営における理念やビジョンの大切さ、PICCでの学びや事業再生へのきっかけ、「王道経営実践7つの柱」について伺った。

 

  

無数の小さな平和を同時多発的に増やし、つながりの力で世界を平和に

PICC大久保会長と佐藤さん

企業概要

株式会社GLOBAL FLAT

代表取締役 佐藤岳登(さとう・たけと)

事業内容:通所介護(デイサービス)事業/訪問介護ヘルパー事業/有料老人ホーム事業/イベント事業/教育・研修事業/カフェ&スナック事業/訪問看護ステーション事業

所在地:大阪府八尾市久宝寺2-2-3
TEL:072-970-6888
FAX:072-970-6777

設立:2011年11月1日
https://globalflat.co.jp/index.html
 

理念、ビジョンの大切さ

 「つながるコミュニティで世界を平和に」が当社の企業理念です。両親の影響もあり、幼少期から世界平和を願ってきました。漠然とした願いを持ったまま、3年ほど鍼灸接骨院を経営していたときは、副業でネットワークビジネスや保険の外交員をするなど、お恥ずかしながら私欲に走っていた時期もありました。
 そんなとき、東日本大地震が起こります。GWの休みを利用して気仙沼へマッサージのボランティアとして駆けつけたとき、現地の衝撃的な光景を目の当たりにしました。「自分の人生をきちんと生きなければ」と痛感し、経営者としてのあり方を見直しました。そうして2011年11月1日に、世界がすべて同じ視点で平和に向かう思いを込めて会社を設立したのです。
 創業当初はあやふやだった思いは、PICCと出会ったことで社内外に自信を持って発信できるほど確固としたものになりました。大久保会長との出会いは本当に衝撃的であり、会長の熱さや「会社は社会の公器である」という言葉で、視点が180度変わったように感じています。

PICCからの学び

 PICCの教えのもと、企業理念をつくり、100年ビジョンや経営計画に理念を落とし込んでいく術を学びました。当時の私は、デイサービスを1店舗運営する小規模事業主。しかし、起業した以上は経営者として100年後の未来を見据える責任を持っており、ビジョンの重要性を社員全員が理解しなければいけないことを学びました。100年ビジョンムービーを作成し、学んだあり方を経営に落とし込むことを愚直に実行してきました。
 その結果、50名弱のスタッフの人間関係が非常に良好となり、仕事後に夕食をとりながら「これから自分達はどう生きていく?どう社会貢献する?」など真剣に話し合う関係性が構築できています。この関係性はあり方経営を愚直に実践したから得られたものだと思います。また、定性面だけでなく、当初は約4,000万円の売り上げが、今期で1億8,000万円と、数字の面でも順調に成長を続けています。

  

PICCからの学び

100年ビジョンマップと共に【画像提供:GLOBAL FLAT】

「王道経営実践7つの柱」の取り組み

 PICCが提唱する「王道経営実践7つの柱」に沿って、学びの実践と成長を振り返ります。
 
 「社会性」については、当社のメイン事業が高い社会性を有しているほか、地域になくてはならない企業になることを社会性の目標と捉え、地域の人たちが一つ屋根の下でつながれる機会を提供しています。例えば、「みせるばやお」という行政や企業等が連携したコンソーシアムにおいて、当社のインターン生や関わりのある子どもたちが企画運営する機会を設けたり、やおんど(八尾活性会)という若手経営者が中心の任意団体が主催して神社でイベントを行なったりなど、つながりを意識した地域活性化の取り組みを実施しています。
 
 「独自性」については、介護事業と別事業の掛け合わせを意識しています。例えば、1階にデイサービスと誰もが立ち寄れるカフェ&スナック、そして2階には有料老人ホーム、さらに当社の本社機能を備えた複合空間を作り出しました。同業者には「こんな明るいデイサービスは初めて」と驚かれます。高齢者の孤独感が減るうえ、一般の方のデイサービス等へのイメージも向上し、施設で働く職員も介護だけでなく飲食など他業態を体験できるので、良いこと尽くしです。当社の施設が、地域のハブとして機能し始めているのを見ると、高齢者施設の可能性が広がってきていると感じます。
 
 「経済性」については、以前は財務戦略がうまく練れずに危ない時期も経験しましたが、1年ほど前から日次決算を取り入れ、必要な研修を実施したことで、私だけでなく現場スタッフの数字への意識が向上したと感じています。2023年1月からは比較的利益率の良い訪問看護事業を開始し、会社全体の売上も利益率も増加しています。
 
 「公平性」について、大久保会長率いる株式会社フォーバルでは、社中分配の考えのもと、会社の利益を、内部留保(未来への投資)、社員への還元、株主への還元、それぞれに1/3の割合で分配すると決めているそうです。当社ではそれを参考にし、それぞれ30%を内部留保、設備投資、社員への還元に分配し、残りの10%は公益財団法人CIESFや認定NPO法人テラ・ルネッサンスなどに寄付しています。また、私の役員報酬や社員の給料を皆が確認できるようにしています。理念研修で、私の報酬の根拠を説明しており、そうした透明性を確保することが公平性につながるのではと思います。公平性に関する今の課題は、評価制度とキャリアマップなので、皆のためになる制度を構築したいと思います。
 
 「継続性」は課題が残る部分です。単純計算が通用しないVUCA時代においては、3ヵ年の目標を確実に達成することが必要だと感じています。10年先の長期ビジョンについては、固めすぎるのではなく、各社員が10年後どうなっていたいかをヒアリングし、各々の理想像や求める福利厚生などをベースにともに作り上げたいと考えています。
 
 「改善性」は、コロナ禍で強く意識した部分です。単一事業への依存は危険だと痛感したため、訪問看護という利益率の高い事業領域を新たに始めました。また、大阪だけでなく奈良にもデイサービスを作り、受け皿を増やしました。高齢者に特化した旅行事業や、中小企業の経営者や個人事業主を対象とした経営・起業塾を本格化させ、介護事業と他事業の割合を現在の95:5から5年以内に60:40にシフトさせたいと思っています。
  
 「魂の決断」は、大久保会長と出会ってから最も衝撃を受けた学びです。命の使い方を本氣で考えるようになってようやく腑に落ちてきました。「つながるコミュニティで世界を平和に」という企業理念にあるように、究極の目的は世界平和です。世界には、日本という世界、介護という世界など、何にでも置き換えられる意味合いを持たせていますが、最小単位は家族だと考え、まずは自分の家庭が円満であることが大切だと思っています。無数の小さな平和が同時多発的に増えることで、平和という価値観が広がっていくと思いますし、当社の事業活動を通して平和のつながりを生み出していきたいと考えています。
 

「王道経営実践7つの柱」の取り組み

利用者様、従業員といった家族みんなで「世界平和」を目指す【画像提供:GLOBAL FLAT】

事業紹介

 株式会社GLOBAL FLATは、「つながるコミュニティで世界を平和に」という理念を掲げ、高齢者のデイサービスや老人ホーム、子どもの塾やカフェ&スナックやコワーキングスペースなどを大阪の八尾市で展開している会社です。
 
 つながりを作ることが当社の事業拡大だと捉えて、主に高齢者を対象とした地元密着型のサービスを展開してきましたが、近年は経営者や子どもを対象とした教育にも注力していきたいと感じています。というのも、中小企業を活性化させて日本の経済力や国力の向上を図るためには、結局教育の力が欠かせません。私もPICCでの学びがあったからこそ、魂の決断ができる本氣の経営者の道を歩めていると感じています。
 
 小規模事業主であろうとも、あり方を基軸とした経営ができることをまずは私自身が行動で示し様々な経営者を巻き込んでPICCでの学びを伝え、微力ではありますが、日本全国に本氣の経営者を増やしていきたいと考えています。同時に、将来を担う子どもたちと経営者の接点を増やし、経営者が本氣で教える私塾を作ることも私の今後の命の使い方の一つとしていくつもりです。
 
 目指すは、人がつながるあたたかいコミュニティの形成をしつつ、他者のために生きることができる影響力のある人財を育て、子どもたちの未来のためにともに成長できる環境を作ることです。この目標に向けて事業を拡大し、自分自身の影響力を高めていきたいと思います。 
 

プロフィール

佐藤 岳登(さとう・たけと)

大阪府八尾市生まれ。柔道整復師、鍼灸師、介護福祉士。2009年に鍼灸整骨院を創業。2011年に株式会社GLOBAL FLATの代表取締役に就任。「つながるコミュニティで世界を平和に」を企業理念に、高齢者のデイサービスや有料老人ホーム、子どもの塾やカフェ&スナック、コワーキングスペースなどを大阪府八尾市で展開。2023年1月からは訪問看護事業にも着手。

 

※  本記事は、2023年7月に掲載されたものであり、掲載当時の情報となります。

取材協力:

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