PICC 経営者のために公益資本主義を

PICC Member

会員紹介

株式会社サンユウ

「心を中心に置いた経営」で積み重ねる、環境に配慮した小さな一歩

【PICC会員企業紹介】

※  本記事は、2024年7月に掲載されたものであり、掲載当時の情報となります。

 

 株式会社サンユウの代表取締役である田中貴之さんは、父親が創業した会社に23歳で入社。現在、亡き父が開発した「スカムセーブネット&オイルキャッチシステム」を主軸とした事業を展開し、「水」の観点から地球環境に配慮した排水設備を普及させている。

  

 経営者同士がお互いに切磋琢磨し、新たな事業構築を目指すようなコミュニティを作りたいと模索していた2022年、PICCに入会。稲盛和夫氏の著書を熟読していた田中さんにとって、PICCでの学びは当初物足りなさを感じるものだったが、現在参加している勉強会「本質道場」で大久保会長から直接「心を中心に置いた経営の在り方」を学び、「社員との向き合い方」を大きく見直したと語る。

  

 「PICCが大好きです」と胸を張る田中さんに、「本質道場」での学びを中心に、PICCで得たものを詳しく伺った。

「心を中心に置いた経営」で積み重ねる、環境に配慮した小さな一歩

株式会社サンユウ 田中貴之さん【画像提供:サンユウ

会社概要

株式会社サンユウ

代表取締役  田中貴之

  

事業内容:環境関連事業、スカムセーブネット&オイルキャッチシステムの開発・制作・販売、阻集物回収機能付グリーストラップの研究開発

所在地:〒134-0083 東京都江戸川区中葛西4-13-14

資本金:2,000万円

設立年月日:1993年3月30日

TEL:03-3877-1315

http://www.sannyu.com/
 

理念の大切さ

 当社は、「自然と共生できる社会の実現を目指す」を理念として掲げています。そのためには自然(地球)に優しく、人に優しく、未来の子供たちに優しい会社でありたいと願い、私たちにできる最大限の取り組みを行っています。

 地球規模で自然環境を守っていくには、規模は小さくても、一個人一企業ができ得る取り組みを積み重ねていくことが重要です。特に日本は海に囲まれた国だからこそ、「水」という資源を守ることで当社の理念を体現したいと考えています。

  

 この理念は創業者である父から受け継いだものです。私が入社した20年程前にはすでに事業の根幹となっており、SDGsの先駆けと言っていいかもしれません。秋田県で水道局長として上水設備を整えた祖父に影響を受けた父は、「排水」を通して地球環境に貢献したいという思いを抱いたようです。私もその意思を受け継ぎ、小さな一歩を積み重ねています。

  

理念の大切さ

株式会社サンユウ 外観【画像提供:サンユウ】
 

PICCからの学び

 私がPICCに入会したのは2022年、知り合いの経営者からお誘いいただいたのがきっかけです。同世代の経営者が集まり、お互いに切磋琢磨して事業構築を目指すようなコミュニティを作りたいと相談したところ、誘われたのがPICCでした。それまで参加していた異業種交流会とは異なり熱い思いを持った会員ばかりで、入会早々ビジネスに直結する話を持ちかけられることもありました。

  

 当初より、会が主催するイベントや勉強会に積極的に参加し、時には他県の支部を訪問したりと、素晴らしい経営者の方々との出会いもありましたが、一方で、不満に感じている点もありました。私が入会したタイミングもあり、大久保会長から王道経営について直接学ぶチャンスが少なかったのです。大久保会長が師事する稲盛和夫氏の著書は、それまでに何冊も読んでいましたので、王道経営については概ね理解し実践しているという自負はありましたが、大久保会長から直接学べないことへのジレンマを感じる時期もありました。

  

 そんなときに、声をかけられたのが「本質道場」への参加。現在、私にとっての大きな学びの場となっています。3〜4時間に及ぶ勉強会ではメモは一切禁止。ひたすら大久保会長の話を頭に叩き込みますので疲労感もありますが、心を中心に置いた経営の在り方を学び、大きな充実感を得ています。中でも、「社員との向き合い方」は私にとって最大の気づきとなっています。

 私も含め経営者の多くは、自らが懸命に頑張ることこそが利益向上をもたらし、ひいては社員のためにもなると思いがちですが、本来大切なのは社員一人ひとりとどう向き合うかということ。それが経営者と社員との心の繋がりを強くするための基盤になると学んでいます。実際、大久保会長ご自身が自社において社員たちと向き合う時間に重きを置いておられることは、なににも増して説得力があります。 
 

PICCでの学びの実践と成長

 「本質道場」に参加するようになってからは、社内会議で勉強会の内容を社員に共有し、さらに社員との1on1ミーティングを毎週開催するようになりました。

 実はこれが驚くほどの成果をもたらしており、それまで会議の場で意見を出すことがなかった社員が、進んで発言するようになったのです。おそらく、1on1ミーティングの中で、仕事はもちろん家族や趣味などプライベートな話題についても、肩肘張らずに会話できているからだと思います。個人的な話にも一歩踏み込むことでお互いの立場を理解でき、その繰り返しこそが心の結びつきを実感できる経営に不可欠なのだと実感しています。おかげで社内会議も闊達になり、会社の利益向上にも良い影響を及ぼしています。

 大切なことは、社員一人ひとりと向き合う時間、瞬間を作るということ。声かけ一つが、社員との信頼関係を築くきっかけになり、社員のモチベーションに繋がると確信しています。社員が会社に誇りを持って仕事に取り組むマインドは何よりも大切です。
 

PICCでの学びの実践と成長

社員との1on1は笑顔が絶えない【画像提供:サンユウ】
 

 今後の目標は、まず「本質道場」を修了することです。そして、社員との関係性や社員教育、心を中心に置いた経営の在り方を学べるPICCの素晴らしさも広めていければと思っています。心豊かな経営者同士が活発に情報交換を行い、新たなビジネスを展開できる関係性を構築することが私の願いです。

  

事業紹介

 1993年、先代である父が株式会社サンユウを創業しました。主な事業は、1999年から開発を開始した「スカムセーブネット&オイルキャッチシステム」の制作、販売です。

  

 飲食店、食品スーパーなど、業務用厨房には必ず「グリーストラップ」という装置が設置されています。これは、業務用厨房から出る排水が下水に流れる前に食品残渣と油脂を阻集し、水質汚染や配管詰まりを防止する装置ですが、その維持や清掃管理の困難さを解決するのが「スカムセーブネット&オイルキャッチシステム」です。水道・下水道費の削減もできる装置として、現在、飲食店や食品スーパー、ホテル、病院、社員食堂など全国1万8000カ所に及ぶ施設に導入されており、下水汚染を防いでいます。環境省の環境技術実証事業にて性能試験を実施し、その性能については環境省のETV事業のホームページにも公表されています。

  

 この開発の根底には、お客様からの要望に向き合い、「世のため人のためになる製品を作る」という先代の強い意志があります。当社の理念である「自然と共生できる社会の実現を目指します」を実現するために、自然(地球)に優しく、人にも優しく、さらに未来を託す子供たちにとって優しい「小さな一歩」として取り組んだ事業です。

 現在、ペットボトルのリサイクル素材を「スカムセーブネット」に活用する方法や、目詰まりをより軽減する機能面の改良にも着手しています。PICCでの学びをさらに深め、社員とともに「小さな一歩」を積み重ねていきたいと考えています。

  

事業紹介

「スカムセーブネット&オイルキャッチシステム」【画像提供:サンユウ】

プロフィール

田中 貴之

株式会社サンユウ 代表取締役
 

父が創業した株式会社サンユウに23歳で入社。現在、代表取締役として、「スカムセーブネット&オイルキャッチシステム」を中心に地球環境に配慮した事業を展開する。

  

 

※  本記事は、2024年7月に掲載されたものであり、掲載当時の情報となります。

取材協力:

一覧に戻る