PICC Member
【PICC会員企業紹介】
※ 本記事は、2023年4月に掲載されたものであり、掲載当時の情報となります。
社会インフラに携わる高品質な電気設備工事業を営む株式会社弘陽電設。
「みんなの笑顔のために『快適』『安全』『安心』な社会を」を理念に、二代目代表の井上拓紀さんは、日々経営理念の浸透やきめ細かい社員教育を行っている。
そして自社の利益だけでなく「地球益」まで視野に入れた100年ビジョンを掲げ、変化を恐れず挑戦しながら、さらなる発展を目指している。
今回は、株式会社弘陽電設代表取締役の井上拓紀さんに、経営理念やビジョンの大切さ、PICCの活動での学びを経営にどう生かしているのか、そして「王道経営実践7つの柱」について伺った。
株式会社弘陽電設
代表取締役社長 井上拓紀(いのうえ・ひろき)
所在地 〒243-0201神奈川県厚木市上荻野3513-2
資本金:300万円
創業:1985年1月1日
設立:1991年6月18日
事業内容:公共事業工事、再生エネルギー設置工事、地下水活用システムプラント電気設備・ 計装工事、業務用空調設備工事、店舗・工場高圧・低圧電気設備工事、住宅用空調設備工事、住宅電気設備工事、省エネリニューアル工事、空調設備・太陽光設備メンテナンス、ベトナム雑貨輸入・販売
株式会社弘陽電設 https://www.kouyo.co.jp/
株式会社弘陽電設は、「みんなの笑顔のために 『快適』『安全』『安心』な社会を」を経営理念として掲げています。社員を大事にすることが、社員の笑顔を生み、そして結果、社員がお客様を大事にする良い流れを作れるのではないかと思っています。
100年ビジョンの中でも掲げていますが100年先の未来を見た時に、宇宙開発が必要なのではないかと考えています。地球環境を良くする仕組みや技術を開発し、地球益に資する企業にしたいと思っています。
100年ビジョンをもってすれば、地球をきれいにする仕組みを作れるのではないかと思っており、そのための第一歩として、まずは太陽光を用いて地元の間伐材を使った癒しを提供できるサウナ事業を始めています。
そして、経営理念と行動指針の浸透のため、毎朝唱和しています。また、唱和が形骸化しないように実際の現場の中でもランダムに1人ごとに理念に基づいた具体的な行動目標を発表してもらうようにしています。
社員とは可能な限り、移動や昼食、現場で話すようにし直接コミュニケーションをとる機会を大切にしています。
また、公益財団法人CIESFに法人サポーターとして参加し、カンボジアなどの発展途上国を支援しています。他にも、自社でベトナムより特産品を輸入販売し、その売上も寄付金にあてることを考えています。
今後も途上国支援は様々な形で続けていくことを視野に入れています。
私は、大久保秀夫塾における東京の2期生で、大久保塾で勉強させていただいたことがきっかけで、PICCの方針に賛同しました。
PICC会員の方々は、どなたも社会貢献の意識が高い方が多く、目先だけではなく、遠くも見て経営されていると感じています。また、講師によるリアル実践経営の話を聞くことは、自分の成長に繋がっていると思っています。
またPICCの研修で比叡山延暦寺で宮本祖豊さんを訪問し、死生観、輪廻転生についてお話を伺う中で、「徳を積む」という事が非常に大切であることを学びました。
生涯において社会貢献、世のため人のためになることができれば、様々な人と関わり合いながら自分自身が充実した人生を送れるのではないかと学びました。
経営的な部分では、PICCが提唱している、「王道経営実践7つの柱」を凡事徹底していくことが、企業にとって非常に大事な考え方だと思っています。
まず、「社会性」という部分においてSDGsやESGの観点から太陽光や地下水を飲み水に変える事業に非常に力を入れています。太陽光は地球の環境改善に寄与するサスティナブルな事業だと考えています。
それと、商工会議青年部などの、組合事業の中で弊社の成長を研修等で周囲の企業に伝えることにより共に成長していくことも重要なことだと思っています。
次の「独自性」について、一つ目は事業が拡大すると管理と工事のどちらかに特化していく企業が多い中、弊社では管理と工事を切り分けせずに管理目線と工事目線双方とも請けられる。その対応力を強みとしています。
また、その両目線を持った社員を一人前の「プロの技術者」と弊社では考えており、育成に力をいれ、技術力の向上に努めています。
二つ目には、太陽光の補助金のコンサルをワンストップで申請、工事、管理、そして営業を行なえる体制を整えており、お客様に寄り添った柔軟な対応ができるようにしています。
三つ目には、ベトナムで会社を出していることが、ブランド力となっています。現地のインフラの技術支援をしている点から、企業価値があがり大手企業様とのお付き合いが可能になりました。
「経済性」においては、以前は2次請け3次請けの工事が多かったのですが、自社の技術力や馬力により、先述したとおり一貫した施工、管理、営業が出来るようになったことが、直接取引に繋がり利益幅に変化が現れました。それと、経営目標と数字の管理をしっかり把握するようになりました。
今後は、取引先企業様から、CO2排出量の報告を求められる事を鑑み、会社の組織体制を変えているところです。
「公平性」においては、企業の利益を見える化し、利益を社員に分配しています。
賞与は担当の現場毎で振り分けし、還元します。また決算賞与として、利益の8分の1を社員に還元しようという仕組みを導入しています。他にも社員の結婚記念日やお子さんの慶事に少しばかりのお祝いを贈ったり、年2回、社員への休暇中のレジャーに使える手当を支給するなど、できるだけ利益を分けるようにしていきます。
「継続性」については、やはりビジョンの浸透が非常に大事だと思っています。
そのビジョンは社員面接の際、企業の状況、そして目指すもの、3か年計画を説明し、そして実施したところで次の3か年の目指すものを明確にして、今、会社がどのステージにいるのかの話をします。それと、経営陣の層を厚くし、中間管理職も、課ごとの上長がマネジメントできるような仕組みを作っています。
「改善性」は現状、非常に売上も上がって利益も出ていますが、なにぶん人材が若く経験も少ないため、社員教育をきっちり行っていくことが、一番大事だと思っています。
それと、行動指針にもありますが、変化を恐れず変化し続けることが企業力だと思っていますので、マーケットの情勢や世界の情勢も見つつ、常に挑戦する気持ちを大切に考えています。
「魂の決断」においては、楽な判断をしなくなりました。目先の利益云々、儲かる・儲からないではなく、先の延暦寺の宮本さんの死生観の話からも、自分自身の決断が、会社にとって、そして社会にとって必要なことなのか、どうかということを非常に重要視するようになりました。そのような意味では、魂の決断には、まだまだ至らないと思いますが、何をするのか、非常にわかりやすくなりました。大久保さんから教わった通り「王道の経営」が、結局は一番の近道になるということが最近自分の中でも腹落ちしてきました。
人を、社員を大事にする。そして社員がお客さんを大事にして、結果利益がある。そしてそれを企業として社会にどういう形で還元できるかが非常に大事だと思います。
死生観と、因果律を考えると人生は非常に簡単で、悪いことはしない、人のために良いことだけをする、嘘はつかない、いかに徳を積むか、本当にそれだけのことで、おそらく会社も自分の人生もきっと上手くいくのではないかと考えています。
途上国に対して支援を行い、弊社が地球益に貢献できるように頑張っていきたいと思っています。
自社で運営するECサイト「KOYO shop」では、オリジナルブランド「Comnya(カムニャ)」のかご製品とベトナム雑貨、防犯機器を販売
株式会社弘陽電設は、神奈川県厚木市で電気工事業を営んでおります。
弊社の強みは3つございます。
一つ目は、人材教育に力を注いでいるところです。
月に2回、社内にて社員同士により技術講習と、年1回「KOYO CUP」という社内での 技術大会を実施して優勝者には表彰、賞金を授与しています。
また、社員のレベルに応じてプロによる外部研修や新卒を対象とした宿泊型研修など、 様々な研修を受けることができる機会を設けています。一般的に、建設業は年齢層が高いですが、 弊社は30歳代を中心に平均年齢40歳と若いので非常に馬力があります。
二つ目は、自社による施工と管理、そして営業を一本化することで品質も担保され、 リピーターに繋がっている点です。
三つ目は、ベトナムに進出し、電気設備工事の技術提供にも寄与しているところです。大久保さんから勉強させていただいた100年ビジョンは、自分の中で非常に有効であると思っています。
面接の時には「うちの会社は、こういうところを目指している、そしてひとりひとりの力が、将来世界のKOYO GROUPになる、そのために力を貸してほしい。」と伝えています。
会社の規模としては、社員25名程度の非常に小さい会社ですが、2022年の売上は過去最高を記録し、前年と比較して約3倍に伸びました。事業規模、売上、利益共に、厚木市でも今年一番の伸び率なのではないかと思っています。その達成にはビジョンが不可欠でした。
2012年にビジョンを作った時に、3年後の目標が容易に達成できました。そこで2015年に再度、大久保さんの元で勉強をさせていただきました。自分自身のモチベーションを高めるために、さらに高い目標を落とし込んだビジョンを掲げ、有言実行することが重要だと思います。今回売上が伸びたことも、これまでおざなりになっていた事業や踏み込めなかった事業に積極果敢に挑戦した結果なのではないかと考えています。
井上 拓紀
株式会社弘陽電設 代表取締役
1985年、厚木市生まれ。厚木東高等学校卒業後、日本工学院八王子専門学校で電気工学を学ぶ。
卒業後、ビルメンテナンス会社にて設備メンテナンスに従事。
2006年、弘陽電設入社。専務取締役を経て2016年に代表取締役に就任。
※ 本記事は、2023年4月に掲載されたものであり、掲載当時の情報となります。