PICC Member
【PICC会員企業紹介】
※ 本記事は、2023年7月に掲載されたものであり、掲載当時の情報となります。
「介護を受けている間は、楽しんでもらいたい」を原点に、そのために何が提供できるか全力で考えてきた株式会社はなひろ。代表取締役の塙啓之さんは、はなひろに所属するメンバーの能力を高め、想いを共有し、介護業界で日本一の組織を目指す。
株式会社はなひろは、今年で創業10周年を迎える。会社の基盤になっているのが「地域と共に育ち、貢献する。情熱を持ってこの仕事を愛し、関わる人全てに感謝と感動を」という経営理念だ。メンバーはそれぞれ違う価値観を持っている前提で、この経営理念を向かうべき場所への道標にし、それぞれが互いに歩み寄っていけばという想いがある。また、代表取締役の塙さん自身も、経営者としての判断に迷ったときにはここに立ち返るようにしている。
今回は、株式会社はなひろ代表取締役の塙啓之さんに、企業経営におけるビジョンの大切さ、PICCの活動での学び、そして「王道経営実践7つの柱」について伺った。
株式会社はなひろ代表取締役の塙啓之さん【画像提供:はなひろ】
株式会社はなひろ
代表取締役 塙啓之(はなわ・ひろゆき)
所在地:福島県郡山市安積町成田字田向150番地の37
TEL:024-953-6517
FAX:024-953-6518
設立:2013年9月
事業内容:地域密着型通所介護(デイサービス・リハビリ専門デイサービス・かいご相談窓口)、自費訪問リハビリ
関連事業:
郡山市の介護福祉情報ポータルサイト
https://www.fukuhiroba.com/
郡山市の障がい福祉情報ポータルサイト
https://www.fukuhiroba.com/koriyama/fukushi/
介護福祉・障がい福祉 みんなの 掲示板
https://www.fukuhiroba.com/koriyama/forums/forum/shougaifukushi/
株式会社はなひろは「地域と共に育ち、貢献する。情熱を持ってこの仕事を愛し、関わる人全てに感謝と感動を」という経営理念を掲げています。
経営理念と同じく大切にしているのが「豊かなシルバーライフの創造から日本中に夢と元気を 憧れの職業ナンバーワンを目指して」という志です。私たちは、仕事を通して人生の先輩である高齢者の方々からさまざまなことを教わる機会があります。この尊い仕事に情熱を持ち、ネガティブなイメージから価値ある仕事だと若い方々に伝えていくのが、私たちの使命です。これは、一般社団法人公益資本主義推進協議会(PICC)の学びから組み立て、たどり着いた志ともいえます。
また、CREDO(仲間との約束・お客様との約束)については、自分ごととして仕事に向き合い、会社に愛着を持ってもらいたいという想いから、会社のメンバーたちだけでの作成を提案しました。その約束の言葉は、私たちが仕事中に着るTシャツにもデザインされています。介護の仕事はジャージを着ているイメージがあるかもしれません。しかし、介護であってもスマートにかっこよく仕事をしたい、そういう思いもありオリジナルのTシャツの作成に至りました。
そもそも、CREDOをつくろうと思ったきっかけは、メンバーから「はなひろは、社長の会社」という発言があり、それがずっと心に引っかかっていたからです。私がつくった会社ではありますが、はなひろを「みんなの会社」にしたいという想いがあります。会社のメンバーそれぞれが「自分たちの会社」であるという意識を持って欲しい、その経緯でCREDOを提案しました。自分たちが考え掲げているものがあると、会社の帰属意識が高まります。そして、彼らが考えたCREDOは、会社の在り方にもつながっていると感じています。
作成したオリジナルTシャツを着て談笑する社員たち【画像提供:はなひろ】
PICCからの学びで一番大きいのは、仕事をする上で「社会性→独自性→経済性」が重要だということです。それを学び、地域の介護業界をもっと盛り上げたい思いで、介護に特化したポータルサイトを立ち上げ運営しています。
介護業界のなかでしか回らない紙面だけでは、外に情報が伝わりません。インターネットを通せば、介護と関係ない方も覗いてくれますし、業界外の方々にもっと介護を知ってもらうきっかけになるかもしれません。少しでも多くの方が興味を持ち、介護職に就く方が増えたらいいなと思います。その結果、介護を必要とする方とそのご家族、そして地域社会の状況がよくなり自分たちもよくなっている、これはPICCに入り教えてもらったことです。まずは「社会性」からというところに立ち返ることができました。社会性からいかなければというのが自分の指針になっています。
PICCが提唱する「王道経営7つの柱」から「社会性」と「継続性」を取り上げ、活動を考えていきたいと思います。
まず「社会性」について実践できている点は、前述したポータルサイトの運営以外に、創業当初から継続している「オレンジカフェポエム(認知症カフェ)」があります。オレンジカフェポエムは、同じ悩みを抱えている仲間に出会い、家族だけで抱え込まないようにするコミュニティスペースです。日々の苦労話や相談に始まり、なんでもない日常を共有するアットホームな場になっており、オレンジカフェポエムに参加した方が帰られるときは、みなさんすっきりした様子です。介護保険の枠で暮らしを支えるのは限界があります。しかし、その限界点を高める努力は必要で、地域の高齢者と困っているご家族に喜んでもらえる活動として、オレンジカフェポエムを運営しています。また、地域貢献活動の一環として、利益は考えず「人と人が繋がるきっかけ」の提供を目指すことが、結果的には社会的信用を得て大切な繋がりが生まれているのではないでしょうか。PICCに入って、このような活動は大事だと実感しました。今後も継続していきたいですし、それを再認識できたのはPICCからの学びが大きいと思います。
「継続性」については、会社の持続的な成長を支えるためにも、さらに具体的なビジョンを示し、共有して浸透させなければと思っています。今年で創業10年を迎え、当初から継続していることのひとつに、朝礼時に行う経営理念と社是の唱和があります。毎朝の唱和が押し付けになっていないか、私のなかで葛藤はありました。しかし、会社のメンバーから、経営理念が好きだとの声もあるので、これからも継続していきたいと思っています。
PICCでは、とにかく続けていくしかない、小さなことを継続してそれが最終的には浸透し会社の成長につながると教えていただきました。コロナの影響もあり、社会の価値観は変わってきています。経営理念や使命感、社是といった在り方は大切にしつつ、状況に応じて柔軟にやり方を変えて成長していきたいと思います。
株式会社はなひろは、一人ひとりに目を向けてじっくり関わりたい想いで、2013年に創立してから少人数制で運営しています。
安心してはなひろを利用できるのは、会社のメンバーが自分たちの仕事に誇りを持ち、情熱を持ってこの仕事を愛し、関わる人すべてに感謝しているからにほかなりません。
これからも、介護が必要となってしまった方やそのご家族に、喜んでもらえるものを追及し続けながら、次の世代の子どもたちへ負担を強いることがない事業展開をしていきたいと考えています。そのためには、医療保険や介護保険に頼らない社会づくりをしていかなければなりません。食事のサポートや運動、地域交流などを通して、心も身体も健やかな生活をし、歳を重ねても納税できる社会を目指していきたいと思います。
塙 啓之
株式会社はなひろ 代表取締役
東京にある介護専門学校の介護福祉科を卒業後、地元である福島県に戻る。地元の病院で介護職に就き、その後県内を転勤。ケアマネージャーの資格も取得して在宅介護を支援する。2013年に起業して介護施設を運営。
※ 本記事は、2023年7月に掲載されたものであり、掲載当時の情報となります。