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株式会社中部シイアイシイ研究所

PICCのおかげで強固な経営の縦軸を手に入れた

【PICC会員企業紹介】

※  本記事は、2022年7月に掲載されたものであり、掲載当時の情報となります。

 

「クリーン化技術」と「環境ビジネス」という切り口で、社会の発展と未来の創造に貢献する株式会社中部シイアイシイ研究所。2代目代表の山口弘修さんは、クリーンルームや無菌室で着用する着衣の特殊クリーニング事業を通して、東海4県の半導体産業・自動車産業・製薬産業などのクリーンな製造環境を必要とする産業の環境づくりをサポートしてきた。


会社の基盤となっているのが、『私たちは、関わる人々の幸せを実現し、共に夢ある未来を創造します』という企業理念である。縁あって出会った人々が、事業活動を通じて幸せを掴み、夢と希望のある未来を築いていくという思いが込められた同理念は、一般社団法人公益資本主義推進協議会(PICC)での学びの影響を色濃く受けているという。

今回は、株式会社中部シイアイシイ研究所の代表取締役の山口弘修さんに、企業経営におけるビジョンの大切さ、PICCの活動での学び、そして「王道経営実践7つの柱」について伺った。

PICCのおかげで強固な経営の縦軸を手に入れた

(画像提供:株式会社中部シイアイシイ研究所)

企業概要

株式会社中部シイアイシイ研究所

代表取締役 山口弘修(やまぐち・ひろのぶ)

事業内容:①クリーンルーム用衣服の特殊クリーニング(ブランド名CIC)②ウェハーキャリアやパーツ類等の精密洗浄(ブランド名SCC)③クリーンルーム関連商品販売

所在地:本社〒441-0301 愛知県豊川市御津町上佐脇大郡23番地

TEL:0533-77-2150

FAX:0533-77-2155

資本金:3,000万円

創立:1984年(昭和59年)9月

https://www.ccic.co.jp/

理念、ビジョンの大切さ

株式会社中部シイアイシイ研究所は、『私たちは、関わる人々の幸せを実現し、共に夢ある未来を創造します』を理念に掲げています。お客様をはじめ、お取引先様、地域社会、そして、縁あって出会った全ての人が、当社の事業活動を通じて幸せを掴み、共に夢と希望を抱き、社会の発展、未来の創造に貢献していくことを目指しています。ここでいう「幸せ」とは、やりがいのある仕事、生きがいのある人生、共に支えあえる仲間との関わりから得られる喜びと、社員一人ひとりの人間的成長であると考えています。
 
世界情勢も先端技術もめまぐるしく変化していく現代社会において、進むべき指針となる理念は非常に重要です。率直に申し上げれば、会社として何を行っていくかという企業の事業活動はご縁で決まる場合も多いです。当社も現在はクリーンルームや無菌室で着用する着衣の特殊クリーニング事業を主軸にしていますが、今後のご縁や世界情勢などによって、事業が様々に展開していく可能性も0ではありません。しかし、理念は普遍的なものです。不安定な世の中が続くからこそ、今後も当社のドメインである「クリーン化技術」と「環境ビジネス」の領域において社会貢献をしていきながら、ステークホルダーの方々が幸せになる企業としての在り方を深めるという理念に沿った企業活動を続けていきたいと思います。

PICCからの学び

経営手法やテクニックといった小手先の技術ではなく、経営者としての信念や在り方を教えていただきました。私は以前、経営難の時代に倫理法人会の講演で「思想なき組織は潰れる」と聞いたことをきっかけに、中小企業家同友会の力を借りて、企業理念の再編成に取り組んでいました。そんな時に出会ったのが大久保秀夫塾です。「社会課題を解決するための公器として企業がある」「従業員は様々な課題解決をともに達成するためのパートナーであり家族である」「企業はステークホルダーの幸せを実現するために存在している」といった大久保会長の言葉は、それまで漠然と私の胸のうちにあった思いをピタリと言語化したもので、非常に納得感のあるものでした。大久保会長の講演があると聞きつけると、自身の活動エリアを超えた東京や大阪にも駆けつけ、同じタイトルの講演でも必ず2回以上は聴いていました。それほど大久保会長のメッセージからは熱いものが伝わってきて、自分を鼓舞する素晴らしい機会となりました。様々な経営塾がありますが、大久保秀夫塾ほど自分を奮い立たせてくれるものはありませんでした。その後もPICCで学びを深めたことで、企業理念やクレドを整理し直すことができ、強固な経営の縦軸を手に入れることができました。現在の当社があるのはPICCのおかげであり、大久保会長やPICCの皆様には心から感謝しております。

PICCでの学びの実践と成長

PICCが提唱する「王道経営実践7つの柱」から、「公平性」と「継続性」を取り上げ、中部シイアイシイ研究所の活動を考えていきたいと思います。


まず公平性についてですが、大久保会長から、会社が得た利益は社中、つまりステークホルダーに公平に分配するという「社中分配」の重要性を特に熱心に教えていただきました。その教えの実践として、昨年(2021年)はコロナ禍にもかかわらず利益を上げることができたため、従業員にはボーナス時に通常支給額とは別に特別手当を支給致しました。古くから在籍する社員からは「こんなにいただけるんですか」という声が上がり、社員の喜ぶ顔に私もつい笑顔になりました。会社のためにたゆまぬ努力を続けてくれている社員には感謝が尽きませんので、できるだけ社中分配を進めるべく、会社の体制や給与制度を見直しているところです。いずれは地元有力企業と比べても遜色ないくらいの水準を目指したいと思っています。


次に継続性についてですが、昨年豊川の本社工場の増築工事を行いました。目先の利益のみを考えれば設備投資のコストは莫大ですが、今後の発展を考えると絶対に必要な投資だと考え、工事を決意しました。社員の幸せのためには会社を持続可能なものにしなければなりません。儲けるために企業があるのではなく、継続するために企業は儲ける必要があるという大久保会長の教えを胸に、この本社工場の工事を、当社の成長を一層加速させるエンジンにしたいと思います。

 

事業紹介

株式会社中部シイアイシイ研究所は、クリーンルーム内で超純水を用いて、様々なアイテムを洗浄する特殊洗浄技術に強みを持つ企業です。事業の柱は、「クリーンウェア等の超純水クリーニング」、「トレイ・パーツ類の精密洗浄」、「クリーンルーム関連商品販売」の3つです。1984年の創業以来、2001年のITバブル崩壊や、2008年のリーマンショックなど様々な困難を乗り越えるごとに、より理念に沿った企業活動を続け、世の中に必要とされる自立型企業に成長してきたという自負があります。近年は、クリーン洗浄サービスのパイオニアとして様々な産業と繋がりを持っているという責任からSDGsにも注力しており、特に人権・雇用、社会貢献・環境対策・品質管理の4分野において力を発揮できると考え、社会貢献活動を続けております。

 

プロフィール

山口弘修
株式会社中部シイアイシイ研究所 代表取締役
1969年、愛知県生まれ。京都大学を卒業後、旭化成に入社。1995年に父が経営していた株式会社ホワイト商会の関連会社である株式会社中部シイアイシイ研究所に入社。2010年に社長就任。

※  本記事は、2022年7月に掲載されたものであり、掲載当時の情報となります。

取材協力:

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